初心者でも大丈夫!!カヌーをやるなら佐倉にお越しください!更新日:2022年06月14日

 カヌーの競技力向上と競技の普及振興を目的に設立した「佐倉市カヌー協会」は、日本カヌー連盟・千葉県カヌー協会・印旛郡市体育協会・佐倉市体育協会に所属しており、1988年から活動し、ツーリング部・ポロ部・ジュニアで構成されています。協会の理事を務める醍醐汐美さんにお話を伺いました。

佐倉はカヌーをする絶好の場所

――カヌーを始めたきっかけを教えてください。

 小学校3年生の時に、佐倉市カヌー協会が開催する子ども向けのカヌースクールを、母が広報で見つけて参加したことがきっかけでカヌーを始めました。
 協会には小学生から高校生までが所属しているクラブがあり、加入した当時は小学生から中学生まで10人程度のクラブの中で、小学3年生だった私は最年少でした。
 冬は氷を割ってから練習をして、上の学年の人に面倒を見てもらいながら漕いでいたのを覚えています。

――カヌーの魅力について教えてください。

 初めてカヌーに乗る方だと、ものすごく水面に近いので、見える景色がずいぶんと異なることに驚かれます。水の上にいると、陸上にいるより風がこんなに爽やかなのかと、新鮮に感じると思います。カヌーに乗ってしまうと、割と水面を自由に動けます。カヌーツーリング(※)に出かけると、陸上からは見られない景色を見られるのが、カヌーの魅力だと思います。

(※)カヌーツーリング…カヌーを移動手段として利用し、景勝地や観光地などを訪れること。あるいは、カヌーに乗ること自体を楽しむために、目的地を設定し、旅をすること。

――佐倉市カヌー協会ではどのような活動を行っていますか?

 協会に所属している人は土・日曜日に練習をしています。ジュニアの子どもたちは夏に全国大会があるので、それに向けて私も一緒に練習をしています。
 大会は6月に県大会、7月に全国大会、8月に県の新人戦があります。体験教室の中には、6回練習して県大会に出るコースなどを用意していますので、体験教室の子も大会に出ることができます。また、スラローム(※)の大会にも参加しています。
 大会以外には、定期的にツーリングに行ったり、月に1回くらい競技の普及振興のため体験教室を開催したりしています。佐倉市観光協会で行っているカヤック体験の協力も行っています。

(※)カヌースラローム…カヌー競技の1つ。流れが上流からもしくは逆に下流から吊るされたゲートを通過する技術とスタート地点からゴールまでにかかった所要時間の両方を競います。スキー競技同様に1艇ずつスタートし、ゲートに接触したか、非通過のゲートがあるか否かによる減点ポイントと所要時間が計算され順位が争われます。

カヌーに乗る醍醐さん

――佐倉でカヌーをするメリットはなんですか?

 カヌーをできる場所は限られており、まず水がないとカヌーはできません。また、500メートル以上の直線がないとスプリント(※)の練習ができませんが、佐倉は該当する場所が2か所あるのが強みです。
 カヌーに乗るまで手間がかからないのは重要だと思っていて、佐倉市カヌー協会の倉庫は水辺までの距離がすごく近いのが特徴で、カヌーを出してすぐに乗ることができます。

(※)カヌースプリント…静水面で1人乗りから4人乗りまでの艇にのり、一定の距離と水路(レーン)を決めて複数の艇が一斉にスタートして最短時間で漕ぎ、着順を競う競技です。

活動はみんなでやっている

――どんな方が参加していますか?

 参加者の中で協会に所属している人は市内在住の方がほとんどですが、体験には市外の方も来ます。佐倉市観光協会の体験教室はほとんどが市外から参加していて驚きました。
 比較的子どもが多いですが、大人になって新しいことをやりたい40代50代の方も参加しています。20代30代の方も応募は今のところあまりないですが、大歓迎です。

佐倉市観光協会の体験教室の様子

――参加者を見て感じることはありますか?

 実際にカヌーに初めて乗る人はびっくりした様子の方が多いです。カヌーは自分の体より大きいので、初めはうまく操作できないですが、子どもは1時間くらい乗っていると、何も教えなくてもできるようになるので、すごいなと思います。
 協会に所属している子は毎週来ていて、毎回目標をちょっとずつクリアしていくので子供の成長には驚かされます。
 目標は個々で決めており、「大会がいつあるからタイムをどれくらいにしたいか」など一緒に考えます。乗り始めたばかりの子は「今日は2キロ休まずに漕ぐ」や「先週は1キロで休憩したけど、今日は休憩しなかった」などの目標を立てており、クリアしていくのを見ていると、子どもの成長を感じられ、私もとてもうれしいです。
 保護者は子どもの様子を心配そうに見る方もいます。水辺のスポーツなので心配するのは当然だと思いますが、安全に乗っていれば事故にはなりません。
 コーチは私を含めて2人なので、保護者が率先して手伝ってくれます。遠征するときも「車に乗っていってください」と声をかけてもらえるほどで、協会の活動は関わっている人みんなでやっているという印象です。

――活動のやりがいを教えてください。

 もともと小学3年生から高校まで競技を行っていましたが、大人になり佐倉市カヌー協会のコーチから手伝ってよと誘われて子どもたちを教えるようになり、今は理事をやっています。
 5年前にコーチを始めた時から、メダルを取るために練習してきた子が、大会でメダルを取れたときは自分のことのようにうれしく、子どもたちに教えることは自分が競技していた時よりも楽しいし、やりがいを感じます。
 現在、高校生は協会にスラロームとスプリントで1人ずつ所属しています。スラロームをやっている子は、ジュニアの日本代表です。スプリントの子は小見川や佐倉高校の部活と一緒に練習していることが多いので、現在は、指導はしていませんが、協会の出身者がカヌーの普及に関わっていってもらいたいと思っています。

スラロームジュニア日本代表 長洲百香氏

いろんな方にカヌーをやってもらいたい

――これからどのような活動をしていきたいですか?

 これまで着々とやってきた活動を継続し、競技人数を増やしていきたいです。市外からの申し込みもある観光協会の体験教室は継続していきたいですね。
 また、日本障害者カヌー協会とパラカヌーを共同開催する予定もあります。今まで佐倉市カヌー協会では、たまたま障害を持った人はいなかったのですが、パラリンピックで世間的にも注目されており、また興味もあったので、協会の事務局の人と講習会を受けにいきました。
 パラカヌーをしている下半身に麻痺がある方と話をする機会があり、乗るのにも介助が必要だし、船の中で下半身が動くと危険なので、固定をしなくてはいけないと教えてもらい、勉強になりました。そして、水の上に出てしまえば陸にいるより自由に動けるとおっしゃる姿に、パラカヌーの可能性を強く感じました。
 佐倉市は川幅があるため、パラカヌーの環境としても優れています。今後は障害者も受け入れられるよう体制を整えていき、いろんな方にカヌーをやってもらいたいと思いました。

――佐倉をより魅力的にするために何が必要だと思いますか?

 アウトドアが人気となっており、水辺が身近になっている状況は、印旛沼に面している佐倉市にとってチャンスだと思います。
 カヌーは水辺のスポーツなので危険は確かにありますが、安全を管理できる人がいれば問題なく楽しめます。水辺のスポーツは敷居が高いと思われがちなので、カヌーがもっと身近になって、たくさんの人にふれてもらいたいです。

【お問合わせ】
◆佐倉市カヌー協会
◆ホームページhttps://sakuracanoe.apage.jp/
【イベント】 上記ホームページから申し込み
2022/6/26 カヌー教室 場所:佐倉市カヌー協会練習場 時間:10:00~12:00 
2022/7/24 カヌー教室 場所:佐倉市カヌー協会練習場 時間:10:00~12:00