集え、子育て世代!佐倉市が実践する「移住サポート」とは?更新日:2019年10月04日

もしあなたが「家を買う」としたら、何が基準になりますか? 「交通の便利さ」、「家賃問題」、「生活のしやすさ」……基準はさまざま。「住まい」は人生最大の買い物と言っても過言ではありません。同時に、人生における大きなターニングポイントにもなります。それだけに失敗したくないと、不安も大きいのではないでしょうか。千葉県佐倉市では、多様化するニーズに合う住まいづくりを実現するために、さまざまな補助金で支援しているほか、「空き家バンク」などの制度にも力を入れています。

2019年9月7日には「住宅セミナー ~住まい・暮らし相談会」が開催されました。これは、市と住宅金融支援機構が共同で開催する珍しい試みです。このような官民連携で「住まい」についての問題に取り組むことになったのは、どういう経緯があるのでしょうか。そして、佐倉市に住む魅力とは。今回は相談会を企画した佐倉市役所・都市部住宅課の相内さん、住宅金融支援機構の高木さんにお話を聞きました。

インタビュー・佐倉市役所住宅課・相内俊彦さん

ーー本題に入る前に、佐倉市に住むことの魅力を教えてください。
相内:いろいろと魅力はありますが、まずはクルマを利用しやすいことです。都心に近ければ駐車場に月数万円も支払ったり、交通渋滞に巻き込まれたり……といったことがありますが、佐倉市ではその心配は少ないです。クルマなので電車の時間を気にしたりと時間の制約をされることもありません。佐倉市の戸建てなら駐車場付きの物件がほとんどなので気軽にクルマを所有でき、自分のタイミングでどこへでも足を伸ばすことができます。

ーー公共の交通機関の話をすると、佐倉市は意外とアクセスもいいんですよね。
相内:そうなんですよ。あまり知られていないのですが、京成線の佐倉駅や臼井駅、JR総武本線でも佐倉駅から始発で座って都内に行けますし、成田空港へも電車で約20分です。なので、通勤や買い物に都内にも気軽に行けるので、不便だと感じたことはないですね。成田空港はLCCの便が充実しているので、新幹線を使うよりもリーズナブルに全国各地、あるいは海外へも旅行できてしまうことだってあるんです。

ーー「住む」ということで一番初めに気になるのは「物件探し」ですよね。佐倉市は物件探しを支援する取り組みを行っていると聞いたのですが……
相内:市が行なっている「佐倉市空き家バンク」ですね。人口減少などで、増えている市内の空き家を貸し出したい、売りたいという所有者の方に「空き家バンク」に登録してもらい、その情報を市がホームページで公開して、住まいを探している人々にご紹介する仕組みです。不動産取引の少ない地方の過疎地域では多く取り組まれているのですが、都心に通える範囲内でこのような取り組みを行なっている地区は珍しいと思います。

ーー「空き家バンク」で家を探すのと、不動産屋さんで家を探すのとは、一般的にどう違うのですか?
相内:まず「空き家バンク」では、市が窓口になっているので安心して家を買う手続きをしてもらえるんじゃないかと思っています。家を買うってとても大きな買い物で、不動産取引の不安もあると思うんですが、そこは市が関わっているので、売り手にも買い手にも、皆様に安心感を提供できるのではないかと考えています。

ーー空き家があることは地域にとってもマイナスですもんね。
相内:そうなんですよ。それに佐倉市は「補助制度」も充実しています。例えば、空き家バンクで賃貸しやすい環境をつくるために、家財道具の処分やリフォーム費の一部補助を行っていますし、空き家バンクの成約奨励金の制度もあります。これは市役所が行う空き家バンクならではの制度だと思うので、とてもお得なメリットですね。

ーーどのような層の方が多く利用しているのでしょうか?
相内:「空き家バンク」を利用する人々は、通勤圏内で、子供のために自然豊かな場所で暮らしたいという思いがあるファミリー層がほとんどです。もしお子さんが都内の大学へ行っても通える距離なので、そこも安心して買える理由の一つとして見て頂ければと。佐倉市全体でもファミリー層が多いですね。

相談会では市役所、住宅金融支援機構、宅地建物取引士が共同で悩みを解決!

ーー最後に住宅課の職員の方からメッセージをお願いします!
相内:佐倉市の場合、住まいに対する補助がかなり手厚いので、安心して家探しを手助けできると思います。親との近居を希望していたり、中古住宅をリノベーションして住みたい方への補助も充実。特に「近居」は、近すぎず遠すぎず、親子がほどよい距離感を保って暮らせる方法だと思います。

また、佐倉市なら金額的にもお手頃な値段で家を購入できるので、マイホームにかけるお金が少なくて済む分、趣味や他のことを充実させられることも魅力の一つだと思いますよ。

昨年度の「近居・同居住替え支援事業」は、84世帯(約300人)の方が利用して家を購入したそうです。佐倉市で育った人々が結婚を機にマイホームを購入し、三世代の関係性を深めて、孫が大人になった時にも引き続き佐倉市に住み続けてくれるのが理想だと相内さんは笑顔で語っていました。
引き続き住宅支援で佐倉市と連携している「住宅金融支援機構」の千葉センターの高木さんにもお話を伺います。

インタビュー・住宅金融支援機構千葉センター長 高木俊武さん

ーー住宅金融支援機構の方からみた佐倉市の住宅の魅力ってなんでしょうか?
高木:やはり、住宅の数が多いのと、交通の便も思ったより便利だということですね。一方で、住宅街からすぐのところに田んぼがあったりと、子育ての環境を考えると、自然が近い場所を選ぶのがいいと思います。保育園にも比較的空きがあるそうなので、そういう点で考えると都心に近いところよりこちらを選ぶ人も多いですね。

ーー佐倉市の「空き家バンク」の取り組みについてどう思われますか?
高木:とても力を入れていると感じますよ。佐倉市の職員の方の名刺にも「空き家バンク」のロゴが入っているくらいですからね(笑)。

空き家は活用していくのも大事ですが、まず持ち主に空き家にならないように呼びかけることが一番大事なんですよ。今日の共同セミナーも佐倉市の地域の空き家問題に対する熱意のかたまりです。官民それぞれの強みを活かせるセミナーになっていると思います。

ーー「子育て支援」と「空き家対策」は、佐倉市が「住まい探し」の場面で支援している心強いキーワードですね!
高木:はい。こちらとしてもこのようなセミナーを継続的に、これからも佐倉市さんと協力してやっていきたいと思っております。空き家問題を抱えているのは高齢者の方が多いのですが、空き家対策を進めることで、子育て世代の家探しにも結び付きますよね。そうすることで様々な世代に貢献できればと思っています。

佐倉市が取り組んでいる住宅支援には、佐倉市の魅力を知った上で「佐倉市に住んでもらいたい」という市役所の方々の思いが込められていました。不安も多い「家を買う」機会ですが、市がこのように支援してくれる制度があるだけで様々な家庭の味方になることでしょう。
「空き家バンク」の登録は誰でも簡単に行えるそうなので興味のある方はチェックしてみてください!

【住宅に関する問い合わせ】佐倉市役所 住宅課 TEL 043-484-6168
【佐倉市空き家・空き地バンク】http://www.akiya-navi.com/sakura_akiya_bank/
【佐倉市住まいの関連補助制度】http://www.city.sakura.lg.jp/0000015471.html