130年のバトンつなぎ!!~JR佐倉駅長 地域の皆さまとともに~更新日:2024年03月01日
JR佐倉駅は、2024(令和6)年7月に開業して130年の節目の年を迎えます。古くは構内で機関車の入換作業が行われ、その待ち時間にホーム上でアイスクリームの立売りが大繁盛でした。現在では、通勤・通学、そして総武本線・成田線からの乗換や観光で多くのお客様が利用しています。
開業130周年を迎える佐倉駅
――佐倉駅が誕生してから今日までのあゆみを教えてください。
1894(明治27)年7月20日、市川~佐倉間に千葉県初の鉄道として総武鉄道が開通し、その終着駅として開業しました。それから長らく旅客輸送とともに、貨物取扱駅としての物流拠点機能も担いました。
現在の駅舎は1985(昭和60)年に改築されました。そして、1987(昭和62)年にJRの駅となり、今日に至ります。
――JR佐倉駅はどんな駅ですか。
JR佐倉駅の1日あたりの乗車人員は約8,400名です。総武本線と成田線の分岐駅なので、その他にも乗換のお客様が利用します。通勤や通学のお客様のご利用が多い駅ですが、日中は観光のお客様も多くお見掛けします。
観光のお客様は都内や県内の市川・船橋など東京に近い場所からの来訪が多い印象ですが、他にも特急「しおさい」号の全列車と「成田エクスプレス」号の一部が停車することもあり、各方面からお越しになります。
――JR佐倉駅の通勤・通学の利便性について教えてください。
行動制限がなくなり、人の動きが活発になって、通勤や通学、レジャー等で移動する機会も増えました。電車もコロナ禍と比べて多くのお客様にご利用いただけるようになり、あらためて鉄道の利便性が見直されていると実感します。JR佐倉駅は特急停車駅で、都心方面へ向かう始発電車もあります。
特急「しおさい」号は2024年春、リニューアルします。一部を除き「成田エクスプレス」号と同じE259系という車両に変わります。全座席コンセント付きで、フリーWifiも利用可能な快適な車内空間です。全車指定席ですので、座席確保のために早めに駅に来る必要はありません。また朝の時間には、JR佐倉駅始発の特急もあります。
朝のラッシュ時には、東京・横浜方面への始発の快速電車があるのもJR佐倉駅の魅力の一つです。
――JR佐倉駅ホーム上では珍しい光景が見られるんですよね。
今では全国的にも珍しくなりましたが、朝と夜の一部の電車で連結と切り離しが行われています。夜の切り離しでは、東京方面から走ってきた快速電車が、2方向(成田空港行きと成東行きや成田空港行きと鹿島神宮行き)に行先が分かれます。
2024年3月現在で、千葉県内で鉄道要衝駅としての名残が見られるのは、JR佐倉駅、JR千葉駅、JR上総一ノ宮駅など数少なくなりました。
――JR佐倉駅を起点として「駅からハイキング」が実施されています。参加方法やコースの特徴について教えてください。
「駅からハイキング」は、駅を起点としてその地域を徒歩で巡る日帰りイベントです。JR東日本が主催し、参加費無料、予約不要で、スマホで受付します。地域の魅力を体験したり、美味しいものが味わえるうえに、当日の天気を確認してから気軽に参加できるのでとても便利です。
コースは時期により変わりますが、JR佐倉駅を起点として、日本100名城に選ばれている佐倉城址公園やSNS映えが評判のひよどり坂、城下町の面影が残る町並みなどを巡る「歴史のまち、佐倉」のコースがあります。(2024年は1月~3月実施)
4月からは、佐倉の人気イベントである「佐倉チューリップフェスタ」に併せて、佐倉ふるさと広場やひよどり坂、「佐倉のSLハチロク」が展示されている高崎川南公園や佐倉市立美術館方面に向かうコースが予定されています。
SLが展示されている「高崎川南公園」はJR佐倉駅北口から徒歩約5分。鉄道のまち佐倉に気軽に触れる、通年のおすすめスポットです。
「駅からハイキング」は、世代を問わずお楽しみいただけますので、多くの方にご参加いただければと思います。開催時期、コースなど詳細はJR東日本千葉のホームページからご確認ください。
★駅からハイキング:https://www.jreast.co.jp/ekihai/
山田駅長のこれまでとこれから、そして佐倉のこと
――今まで、どんなお仕事を経験されましたか。
前任は安房鴨川駅長でした。観光への取組みが盛んなエリアで、地元行政や観光・宿泊施設等と連携し、地域活性化に取組みました。観光にお越しになるお客様にとって、お土産は楽しみの一つだと思いますが安房鴨川駅の近くには地域のお土産品の取扱いが少なかったため、地元のお土産を取扱う企業と交渉して人気のお菓子を駅のコンビニに置いてもらったこともあります。
それ以前には千葉県庁との人事交流で、観光を切り口として行政と企業をつなぐ仕事も経験しました。
――佐倉の印象や感想を教えてください。
佐倉駅は現在隣接する市町4駅(酒々井駅、南酒々井駅、榎戸駅、八街駅)の管理も行っており、開業時から今日まで続く、主要駅としての歴史の重みを感じています。
佐倉は成田空港から近い好立地という恵まれた環境にありながら、海外からのお客様は、思ったより多くないと感じています。コロナの影響を受け、過渡期であったのかも知れませんが、外国の方には、まだあまり知られていない印象です。
佐倉は自然・歴史・文化など豊富な観光資源があり、ポテンシャルのあるまちです。赴任前に気づかなかった魅力がたくさんあると感じています。それが、インバウンドや市外の方に伝わるような企画を考えていきたいです。
――今後、JR佐倉駅からどんな魅力を地域に発信していきたいですか?
通勤・通学のご利用が多い駅ですので、安全・安心に注力するのは勿論ですが、国内外の多くの方に、電車で佐倉へ観光にお越しいただきたいと思っています。そのために、商工会・企業・地域の方々などと連携しながら、新しい魅力ある施設や食の情報などを発信していきます。
そして、実際にお越しいただいたお客様を、真心込めて、社員一同でお迎えしたいですね。そのために首都圏に強い顧客基盤を持つ鉄道会社として、SNSを活用したり、えきねっとやJRE POINT等の多くの会員のお客様に佐倉の魅力を伝えていきたいと思います。
130年の歴史を有する駅なので、昔を懐かしみながら佐倉を訪れてもらう企画に取り組んだり、鉄道を通じたイベントを開催したりして、盛り上げていければと思います。
――佐倉を楽しむイベントはありますか?
2024(令和6)年4月~6月に実施するJR東日本の大型観光キャンペーン「とーんときたっ!北総」春の観光キャンペーン(★)で佐倉が取り上げられます。デジタルスタンプラリーや北総四都市への来訪に便利な臨時列車、お楽しみいただける企画などが予定されています。詳細はJR東日本ホームページからご確認ください。
★「とーんときたっ!北総」春の観光キャンペーン: https://www.jreast.co.jp/press/2023/chiba/20240226_c01.pdf
★日本遺産・北総四都市江戸紀行・佐倉:https://hokuso-4cities.com/about/sakura/