世界で活躍!カヌー選手の長洲百香さんにインタビュー更新日:2024年02月14日

 佐倉は、印旛沼をはじめとする水辺が多く、カヌーが盛んです。
 そんな佐倉で生まれ育った長洲百香さんは、小学校からカヌーを始め、現在はU18・U23日本代表に選出され、2023年ジュニア世界選手権では、カヤッククロス(※)で7位入賞したスーパー高校生です。
 今回は、カヌーの魅力や今後の展望を長洲さんに語っていただきました。
※カヤッククロス…流れのあるコースで4艇が一斉にスタートし、タイムや着順を競う種目。

――カヌーを始めたきっかけを教えてください

 元々水泳を習っていました。小学3年生の時に、コーチと方向性が合わず、水泳を辞めるタイミングで、カヌーを始めました。
 カヌーを始めた頃は、水の上を進むことは、水泳で慣れていましたが、道具を介して進む経験がなく、とても難しく、それが楽しかったです。

カヌーを始めたころの長洲さん

――カヌーをしてきて印象的な出来事を教えてください

 小学生の頃の1番の思い出は、夏の全国大会で3連覇したことです。水泳の基礎も手伝って、すぐにカヌーを上達することができました。
 技術面でいうと、船が転覆した際に、カヌーから脱出せずに起き上がるロールという技があり、初めてロールができるようになったときはうれしかったです。

ロールを笑顔で披露する長洲さん

――長洲さんはどういう選手ですか?

 私の強みは他の選手より、練習も競技も楽しんでやっているところです。技術面では、波を渡るのが得意です。
 改善していきたいところは、トップの選手と比べるとまだまだパワーが足りないです。それと基礎的な部分を確実にできるようにしていきたいです。
 コロナが明け、2022年8月に初めて世界大会に出場しました。その時に日本と世界のカヌーの競技力の差、世界の技術力の高さを実感しました。体格の差ももちろんありますが、1つ1つの基礎的な技術がとても高くて、すごく尊敬もしますし、驚きました。

初めての世界大会イタリア

――普段の練習はどういう内容をしていますか?

 土・日曜日は、東京にあるスラロームセンターで練習をし、平日は、学校終わりに佐倉の鹿島川で練習することが多いです。天気が悪いときは、ジムでトレーニングをしています。秋を過ぎると日が落ちるのが早く、冬は暗いし寒いし、ボートもパドルも凍ってしまい、結構辛いです。
 スラロームセンターでは、波を作り出す設備があり、波の渡り方や様々なゲートセットをやって、経験値を貯めていくのと、あとは体力を作るために、ループスといって1時間ずっとぐるぐる回ってこぎ続けることを、流れのある施設の中で練習しています。鹿島川のような静水でもそういう練習はありますが、流れがあると、どこでパワーを使うかなど、力の配分の練習になります。
 印旛沼や鹿島川では、ベーシックな練習をしています。基礎的な技術を1から見直す練習で、1点で回るとか、ダッシュとか本当に基本的なことをやっています。

スラロームセンターの様子

――お母さんにインタビュー。百香さんとの関わり方について教えてください。

母:
 娘のやりたいことをサポートするようにしています。
 夫も私もカヌーは経験したことがなく、娘が始めてから、私たちも乗るようになりました。長く佐倉市カヌー協会にいるので、初めての子たちに教えたりすることはありますが、高度なスキルを持つようになった娘の技術的な質問には、答えてあげられないことが多いです。母親として「楽しみなさい」とか、「そんなに思い詰めない方がいいよ」とか、そういう言葉をかけるようにしています。
 カヌーをしている娘は、本当に楽しそうに頑張ってるので、私もできる範囲でサポートしています。朝練習しに行く時はなるべく時間を作ってサポートしたり、日本カヌー連盟から栄養の指導も入るので、冷凍食品を使わないお弁当にするとか、季節の野菜を取り入れたりとか食事は結構気を遣って作っています。

インタビューに応える長洲さんの両親

――お父さんにインタビュー。お父さんはどのようなサポートをしていますか?

父:
 1番サポートしていることは、運転です。
 ジャパンカップという大会が、年に5~6回全国各地であり、船は車に乗せて運ばなきゃいけません。大会は金曜から日曜に開催するので、木曜の夜に船を車に積んで出発し、夜中運転して、翌朝大会のスケジュールに間に合うように行きます。木曜日の日中は仕事をしているので、運転中眠くなっちゃって、遠い会場の時は、結構大変です。
 日曜日には、また帰らなきゃいけないし、月曜日から仕事なので、体力的にハードです。でもやっぱり、娘が楽しそうに頑張ってるところ見ると、こちらもやる気が湧いてきて、サポートしないとなって思います。その大会の成績が良かったりすると、帰りは楽しく帰ってますね。
 最近は、娘も気を遣って寝ないように話しかけてくれて、学校であったこととか、今回の大会どうだったとか、あとは将来に向けた話なんかもして、普段しないような話をするので、貴重な親子の時間になっています。
 具体的な目標としては、やっぱりオリンピックですよね。直近のパリは、ちょっと難しそうですが、次のロサンゼルスは、本人も目指しているので、我々も一生懸命サポートしていきたいです。楽しく頑張ってもらいたいですね。それに成績もついてくればいいですね。

――小学生時代の郷コーチにインタビュー。長洲さんはどんな選手ですか?

 彼女が小学校3年生から6年生ぐらいまで、コーチをしていました。その時は、生徒が20人くらいいて、その中の1人でしたね。長洲さんがカヌーを始めた頃から関わっていますが、最初は緊張している感じでしたね。
 川下りをすると、急な流れの場所など怖いと感じる場所もありますが、彼女は最初から楽しそうに練習していて、「この子は伸びるだろうな」と当時は思いました。
 長洲さんの強みは、水を掴む感覚が他の選手と比べ、優れています。カヌーをやる前に、水泳選手をしていたので、小さい頃から水を掴む能力が高かったのだと思います。今もその能力が秀でていて、それを使ってタイムを縮めるような漕ぎをしています。
 もうすでに日本のトップレベルの技術があるとは思いますが、まだ荒削りなので、確実にレースをこなせるようになったら、多分オリンピックも出場できると思いますね。オリンピックでのメダルに期待してます。

インタビューに応える郷コーチ

――長洲さんに改めてお伺いします。カヌーの魅力を教えてください

 カヌースラローム(※)の面白いところは、海外の体が大きな選手にも、技術を磨けば勝てる可能性が十分にあるところです。あとは練習がとっても楽しいことが、1番の魅力だと思います。
 カヤッククロスの魅力は、最初負けていても何が起こるかわからなくて、最初から最後まで見ていてすごく楽しいです。それと、カヌースラロームに比べてカヤッククロスの方が、勝ってるか負けてるか順位が分かりやすいので、応援しやすいところも魅力だと思います。
 競技者としても、カヤッククロスは人が相手なので、追いかけたり抜かしてやるって気持ちになるので、やっていてすごく楽しいです。
 レジャーとしてのカヌーの魅力は、普段歩いているときは見られない景色を感じられるところだと思います。秋の紅葉はすごくきれいで、水の上だからこそ見られる景色があります。
※カヌースラローム…流れのあるコースで1艇ずつスタートし、ポイントを競う種目。

――佐倉で生まれ育った長洲さんの思い出の場所や好きなところなど教えてください。

 佐倉は、程よく田舎で、程よく都会で、温かい人が多いところが好きです。みんなが心安らぐ水辺があって、ウォータースポーツと親和性が高いのもいいところです。
 思い出の場所は、印旛沼です。今でも練習で毎日通っていて、私にとって佐倉と言えば、印旛沼です。
 佐倉ふるさと広場には、たくさんの観光客が訪れているので、もっと水辺に素敵なお店がたくさんできると、ウォータースポーツを知ってもらう機会も増えるので良いと思います。

――最後に、今後の目標を教えてください。

 まずは、来年の代表選考会でシニアの代表に入り、ワールドカップや世界選手権に多く出場することを当面の目標にしています。大きな目標としては、ロサンゼルスオリンピックに出場することです。
 将来の夢は、スポーツの楽しさを教えられるような指導者になりたいです。
 元々、水泳をやめた時にはスポーツというものが嫌いになりかけました。カヌーを始めて、今は楽しくスポーツをやれていて、夢を叶いつつあります。自分がオリンピック選手になり、影響力のある人になったら、スポーツで嫌なことがあって苦しんでいる子たちに、スポーツの楽しさを伝えていきたいと思います。

長洲さんの練習を見守る郷コーチ

●長洲百香(ながすももか)さん プロフィール
2005年生まれ。小学3年からカヌーを始める。
佐倉市カヌー協会所属。習志野高等学校在学。
≪主な成績≫
2021年U18日本代表Aチーム所属(現在はU23兼)
2021年よりオリンピック強化指定選手
2022年ジュニア世界選手権出場@イタリア
2023年オーストラリアオープンU18 3位
2023年アジア選手権U18 2位
2023年ジュニア世界選手権
    カヌースラローム 準決勝進出
    カヤッククロス  7位入賞
世界ランキング 131位(2024年1月25日現在)

【長洲さんのインタビューをもっと詳しく!】
YouTubeの「さくら動画配信(佐倉市公式チャンネル)」で長洲百香さんの取材の様子をご覧いただけます。(佐倉市広報番組「Weeklyさくら」2024年2月5日~11日放送分)