津田梅子の父の名前がついた「津田仙メニュー」給食 佐倉市の全小中学校で実施!更新日:2019年05月13日
新五千円札の新たな顔となった津田梅子。日本初の女性留学生として、最年少のわずか6歳で梅子をアメリカに送り出したのは、佐倉藩出身の父・津田仙(せん)でした。江戸幕府の使節団の通訳でアメリカに渡った津田仙は、帰国後に西洋野菜の栽培に着手。難しいとされたアスパラガスやイチゴの栽培に成功し、西洋野菜の普及の第一人者となりました。佐倉市にゆかりのある津田仙の功績をたたえようと、佐倉市の全小中学校では、自校式給食の特色を生かし各校独自の「津田仙メニュー」給食を実施。命日の4月24日前後に、23の小学校、11の中学校で西洋野菜を使ったメニューが登場します。では「津田仙メニュー」とはどんな給食なのか。佐倉東中学校のランチタイムをのぞいてきました。
全小中学校で行われる「自校式給食」
佐倉市のすべての小中学校には給食用調理室が整備されており、栄養士が常勤した「自校式給食」が行われています。献立づくり、食材の仕入れ、調理がすべて各校に任されているため、学校行事や食育の授業内容に合わせた献立や、地元野菜を使ったおかずの提供も可能に。佐倉産こしひかりを使った炊きたてのごはんも子どもたちに好評です。
そんな佐倉市ならではの給食として約10年前から行っているのが、津田仙の功績をたたえる給食の提供です。佐倉市では、佐倉ゆかりの歴史的人物を学ぶ「佐倉学」の時間を設けており、西洋野菜を日本に広めた津田仙、次女・津田梅子の親子についても学んでいるのです。子どもたちに「津田仙ってどんな人?」と聞くと「西洋野菜を日本に広めた人!」「津田塾大学を創設した津田梅子のお父さん!」などと教えてくれ、佐倉学がいかに浸透しているかが分かります。
津田仙が広めた西洋野菜を、ぎゅっと詰め込んだオリジナルメニュー
今年の佐倉東中学校の「津田仙メニュー」は、津田仙が栽培に力を注いだ西洋野菜が中心。アスパラガス、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーを使った「津田仙マリネ」や、キャベツ、トマト、セロリなどが入った「ジュリエンヌスープ(千切り野菜のスープ)」、チキングラタン、パン、牛乳と洋風メニューが並びます。パンにつけるのはイチゴジャム。イチゴは、津田仙が種から栽培に成功したものです。
給食の時間には、栄養士の岩井智子先生が教室を回り、津田仙メニューについて説明をしてくれます。
「普段当たり前のように西洋野菜やイチゴを食べられるのは、津田仙をはじめとする先人たちの努力のおかげですね」
そんな言葉にうなずきつつ、ごはんを頬張る子どもたち。今食べている給食にはどんな食材が使われているのか。学びながら食べることで、食事に感謝する気持ちが育まれていくのでしょう。
「マリネがとくにおいしかった」「授業で学んでいる津田仙、津田梅子のことを、給食を通してより深く知れた」と子どもたち。食事への関心を高めることで、子どもたちの健康の土台を作っていく。あたたかいおいしい給食で佐倉の子どもたちは、健やかに育っているのです。
★もっと知りたい!学校ごとに佐倉工夫をこらした市の給食とは?
【サクライク掲載記事「学校ごとに、工夫をこらした給食を提供! 自校調理方式でつくる、佐倉市にしかない給食」】
https://sakulike.jp/raise/336/
【Youtube動画(さくら動画配信)「佐倉市自慢の学校給食」】