全国初!高校生と地元飲食店が協力しSDGsスイーツを開発 ~地域課題を解決する産・学・官連携SDGsプロジェクト~【後編】更新日:2021年12月13日

 佐倉市内の県立高校と東京都中野区の新渡戸文化学園の高校生が参加し、市内飲食店等と協力しながら、市の名産品や地元産の農産物を用いた7種類のSDGsオリジナルスイーツを開発しました。

 このスイーツは、千葉ジェッツふなばしのホーム開幕戦や開発協力店舗で販売され、また、2021年11月3日、プロジェクトに参加した高校生が、開発したスイーツに込めた想いや学習成果を発表しました。

 後編では、プロジェクトに参加した高校生グループのうちのひとつ、佐倉高等学校1年生8人組の「チームハナショウブ」と同校の高柳良訓教諭に、産(民間企業)・学(学校)・官(行政)が連携してSDGsオリジナルスイーツを共同開発した全国初の試みについて伺います。【前編はコチラ

(インタビュー内容は、個人が特定できないよう配慮し、編集しております。)

想いをティラミスに乗せて

――どんなスイーツをつくったのですか?

私たちチームハナショウブが作ったスイーツは、市内のカフェ「入母屋珈琲」さんに協力いただいたオリジナルティラミス「SAKURAティラミソ」です。このティラミスには、私たちのアイディアが込められています。

SDGs(※)で言えば、ゴール11番「住み続けられるまちづくりを」を目指して、佐倉をイメージした桜のパウダーや佐倉産のヤマニ味噌を使用し、佐倉市の地域課題である市内外の認知度向上を目指す工夫をしました。

また、SDGsのゴール12番「つくる責任つかう責任」では、有害廃棄物割合の低減がうたわれていますが、プラスチック製のスプーンも地球環境に影響を与える場合があります。そこで、入母屋珈琲さんに食べられるスプーン「パクーン」を作ってもらいました。

(※)持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)のこと。2015年の国連サミットで採択された国際目標。教育や気候変動など取り組むべき17のゴール、169のターゲットから構成されている。

――スイーツ企画に参加するきっかけを教えてください。

佐倉高校の探求学習の授業で、佐倉スイーツの企画をやると聞いて面白そうと思いました。そこで参加申入れしたグループ同士で結成したのがチームハナショウブです。

実は、チームのメンバー全員が佐倉市外に住んでいるんです。だから、佐倉市のことを全く知らなくて。

探求学習の時間を使ってチームで佐倉市の地域課題や特産品をいろいろ調べた結果、ヤマニ味噌を使ったスイーツはどうかと考えました。そこで、ヤマニ味噌さんを取材させていただき、伝統・歴史を教えてもらったり、味噌を試食させていただいたりしました。工場で、味噌を発酵させる巨大な樽を見たのは初めてです!

また、チームのみんなで意見を出し合って、市の木・サクラの花びらを表現したスイーツにしようと決めました。

SDGsは身近な場所に

――SDGsを学習するうちに、何か新しい発見はありましたか?

自分が住んでいるまちのことすら、知らないことだらけでした。

佐倉市の地域課題を調べ、比較のために自分の住んでいるまちを思い浮かべるんですが、それまで地域に目を向けていなかったから比較できないんです。

SDGsの学習を進めた今では、スーパーマーケットの店先で売られている地元の野菜に目が向き、意識するようになりました。自分に近い場所にこそ新たな発見があると知った良い機会でした。

――苦労したことを教えてください。

入母屋珈琲さんを紹介いただいて、私たちが考えたいろんなアイディアを見ていただき、ティラミスが選ばれました。そのあとは、私たちのアイディアや想いを、スイーツにどのように乗せていくか、相談を重ねました。

自分たちでも何度か、夏休みや探求学習の時間に試作品を作ってみましたが、入母屋珈琲さんが完成させてくださったスイーツは、とても洗練されて感動しました!

私たちと入母屋珈琲さんが、何度も何度も、意見を出し合ってつくったのが、「SAKURAティラミソ」です。

チームハナショウブが作った「SAKURAティラミソ」

みんなが夢に向かって協力したら…

――みなさんの活動が、食品ロスや地域活性化などの地域課題の解決につながるかもしれませんね。

私たちは、佐倉市の地域課題は認知度不足にあるのではないかと考え、それを解決するスイーツの開発に取り組みましたが、認知度向上に向けて、やれることはまだまだあると思います。

地域の環境についても、漠然とした危機感は元からありましたが、探求心を持って調べることで、普段の生活でもごみに気を遣うようになりました。私たちのように、SDGsについて学ぶことで、地域課題の解決に取り組もうと考える人はいるのではないでしょうか。

だから、私たちのスイーツや発表を見た人に、佐倉市の地域課題や、SDGsへの取組みを発信したいです。

佐倉市の認知度を上げるのは、若者たちだけではできません。私たちが認知度を直接上げることはできなくても、イベントに来た人に発信していき、その人たちに影響を与えられれば、間接的に佐倉市の認知度を向上できると思っています。

――今回は、民間企業や飲食店、市役所職員など「大人」と取り組みましたね。新しく知ったこと、興味をもったことはありましたか?

フィールドワークや社会経験を積めて面白かったです。

スイーツ開発を通し、大人の方、目上の方と接する貴重な機会をいただきました。協賛企業や千葉ジェッツふなばし、今回のスイーツ企画の主催者である一般社団法人MIRAI-KOMINKA for school の母体であるオカムラホームとの企画に携われた機会を今後も活かしたいです。

SDGsの実現という同じ目標を目指して大人と協力・連携したことで、SDGsに興味を持つ企業の発見や、行動することの大切さも実感しました。大人が仕事をする姿、みんなが1つのことに向かい、夢中になって協力することって素晴らしいなと思いました。

高校生ってすごい!

学校連携のキーパーソンは、佐倉高校 探求学習部の高柳良訓教諭です。 探求学習の授業の時間を通し、今回のプロジェクトに参画した想いをうかがいました。

――高校生と民間企業や行政とのあいだをつなぎ、生徒たちを導いてこられた思いを教えてください。

佐倉高校の探求学習は、自分たちで課題を見つけ、研究し、その結果をどう活かしていくかを考えるのが目的ですが、今回のように、大人や企業と一緒に取り組める機会は、高校生たちにとって貴重だと考えています。

新型コロナウイルス感染拡大に起因した緊急事態宣言によって、期せずしてオンライン会議が主流となりました。他校と触れ合えず、刺激を受けあうチャンスが減ったのは残念でしたが、意欲的に学習に向かっていた姿が印象的でした。

高校生たちって能力がすごいんですよ!

チームハナショウブの場合は、佐倉市の花のハナショウブから名付け、協力者の千葉ジェッツふなばしが「勝負=ショウブ」に勝つようにとの願いも込められた名前です。ロゴマークも自分たちでデザインし、SDGsのゴール番号11番、12番の色を用いています。地域課題の研究やスイーツの企画はもちろん、発表会のスライドも、彼らがパワーポイントで作っちゃう。他の参加高校生チームも同様です。

彼らの高い能力と意欲を地域の方々にも伝えたいですし、地域との結びつきによって、高校生もこれだけのことを実現できるとみんなに知ってほしいですね。

【SDGsオリジナルスイーツ企画に関するお問合わせ】
◆一般社団法人MIRAI-KOMINKA for school
所在地:千葉県八千代市大和田新田76番地46
電話:047-409-1551
◆ホームページ
https://www.miraikominka-forschool.com/



【サクラ・スイーツ・スタンプラリー】
高校生が開発に取り組んだ、7種類のSDGsオリジナルスイーツ7種類は、協力店舗で2021年12月19日(日)までお求めいただけます。
※スタンプラリーは終了しました。
SDGsスイーツ一覧】 ※《》内は協力店舗 
☆お芋のモンブラン「モンラック」《入母屋珈琲》
☆SAKURAティラミソ《入母屋珈琲》
☆Ochaティラミス《オリベート》
☆ベジフルサンドキューブ《オリベート》
☆さくらグリーンティーシュークリーム《貝殻亭》
☆Fairtrade Chocolate「麗しのマチュエル」《貝殻亭》
☆大和芋と米粉のワッフルベリーパッフェ《カフェシュクル》

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