植物の恵みを伝えたい!佐倉ハーブ園、五感で楽しむハーブの魅力更新日:2021年05月28日

四季折々、世界各地から集められたハーブが咲き誇る佐倉ハーブ園。ワークショップなどイベントを通じて、たくさんの人に植物の恵みを伝えています。
触れて、見て、薫って、味わって、五感で楽しめる佐倉ハーブ園を、ハーブが最も美しい時期に訪問しました。

植物の恵みを伝えたい!

佐倉ハーブ園の柴田園長にインタビュー。植物の研究者であり、博識でユーモアたっぷり。ボランティアからも尊敬される園長に佐倉ハーブ園について伺いました。

――たくさんのハーブが植えられていますね。

そうですね。私が園長になってから1,000種類くらいのハーブを植えてきました。多くのハーブを知ってもらうことが、ハーブ園の使命でもあるからです。
ところが、ハーブって植える場所の気候に左右されるんですよね。佐倉市は、内陸にあるから冬は寒くて、夏は暑い。なかなか生育しなかったハーブもたくさんありました。それでも、ここの気候や風土に合うハーブを植え、訪れてくれる方々に知ってもらうことが大切だと考えています。

ユーモアを交えて語ってくれた柴田園長

――どういったお客様がいらっしゃいますか。

もともとハーブ好きのお客様もいらっしゃいますが、ここを訪れてからハーブを好きになって帰るお客様がすごく多いと感じています。
私たちが用意したオリジナルのジンジャエールやハーブティーをごちそうすると、「また来たい」と感じてくれる方が多くいらっしゃいます。
そうそう、ハーブティーには、生の葉っぱを使います。ハーブティーというと乾燥した葉をイメージしますよね。生の葉を使うお店も、なかなかないですよ。
イベントでも、ウエルカムドリンクやお昼にこうしたハーブティーを参加者に提供していますが、飲んだ参加者はとても喜んでくれます。

園長お手製のジンジャエール

――佐倉ハーブ園はどういった目的で開園したのですか。

植物の恵み、すばらしさを伝えるために、植物化学の専門企業である常磐植物化学研究所によって設置されました。
ここが、植物の恩恵を還元する場であり、地域の方々の憩いの場となればと願っています。

――ハーブ園の整備には、ボランティアが関わっているそうですね。

そうです。現在、ボランティアとして登録いただいている方は、100人近くいて、活動日には、20人くらいが参加してくれています。
神奈川や東京、埼玉、茨城など遠方からもボランティアとして参加される方もいらっしゃいますね。

園長がボランティアに説明

ボランティアとは、除草、植え替え、繁殖作業、施肥などを、なぜこういう作業が必要なのか説明と実践をしながら行っています。植物も人間や動物と同じく、愛情をもって接しないと答えてくれませんから。
ハーブ園は、広い土地でたくさんの種類の植物を植えているので、ボランティアに支えられていると感じています。

ボランティアが大活躍!

佐倉ハーブ園では、毎月第2月曜日にボランティアの活動を行っています。ハーブ園になくてはならないボランティア。ハーブが好きで参加している方、コロナ禍、在宅勤務で増えた時間で参加した方など、さまざまな方が集まっています。
ボランティアで活動する魅力を吉田さん、豊田さん、和田さんに伺いました!

――ボランティアになったきっかけを教えてください。

(吉田さん)佐倉市に住んでいて、東京都内に通勤をしていたのですが、ここ1年半くらいテレワークで、ほとんどの時間を家で過ごしていまいた。そうしたなか、気晴らしに自然や植物や土に触れたりすることができないかと探したところ、ハーブ園のボランティアを知り、参加するようになりました。
それまで、ハーブ園のことは知らなくて、地元を見直すきっかけにもなりました!

――ハーブ園のボランティアの魅力は何ですか。

(豊田さん)自分で実際に植物に触れられるのが一番の魅力ですね。ここでは、掘ったり、草を抜いたり、直接自分で植物に触れられる機会がたくさんあります。
(和田さん)同感です。分からない植物についても、園長やスタッフに聞くことができますし、「挿し木にするには?」といったちょっとした質問も、園長がその場で実践して教えてくれます。
それと、園長が心を込めて淹れたフレッシュなハーブティーを飲めるのも魅力です(笑)
(豊田さん)園長のダジャレも面白く、笑うことで気持ちがリフレッシュできますし。ボランティアもみんな植物が好きだから和気あいあいで、いままで接点がなかった方とも会える場ですね。

ボランティアのみなさん

みんなが楽しめるガーデンへ

佐倉ハーブ園の管理に関わる常磐植物化学研究所の増尾さんには、ハーブ園で開催するイベントや佐倉の魅力について聞きました!

――ハーブを使った楽しそうなイベントを行っていますね。

はい。今年は、マクラメハンギングのワークショップを行い好評でした。これからハーブ園が見ごろになる6月にはハーブ石鹸づくり、8月にハーブソルトづくり、12月に門松づくりなどを予定しています。
夏休み期間中には、小学生以下の子どもを対象としたイベントも計画しています。ハーブを採取してハーブティーを作るなど、自由研究にもぴったりなイベントです。子どもたちに植物ってすごいことを知ってもらいたいですし、実際に植物に触れる機会を提供できたらなと思っています。

植物に詳しい増尾さん

イベントは、市内だけではなく東京、神奈川など関東圏からお越しになる方が多いです。イベントが、佐倉市内外の方々のコミュニケーションツールにできたら良いですね。

――地元の小学生もハーブ園を訪れていますね。

コロナ禍で、校外学習ができない地域の小学校の声に応えようと始めました。見学に来た小学生には、ハーブのクイズを出したり、匂いや味を試してもらったりします。ハーブティーの色が変わる実験を見せますが、色が変わった途端、子どもたちの目の色が変わるんですよね。そうした瞬間ってとても大事で、五感で感じることができるのも佐倉ハーブ園ならではですよね。

――どういったことを伝えていきたいですか。

「ハーブ」と聞くと、興味があっても身構えてしまう方もいるかもしれませが、ベランダや室内でも簡単に育てられる身近な植物なんですよ。心と身体にも良い植物なので、難しくないということ知ってもらいたいですね。
ここでは、世界各地から集めた40種類のバジルを植えています。7月、8月くらいになると、バジルの香りを楽しむことができます。本当にすごい香りです(笑)ほかでは見られないバジルが楽しめるので、ぜひ地域の方々にも訪れてほしいですね。

ハーブの他にバラも植えられています

佐倉ハーブ園は、「四季折々の色彩豊かな魅せるガーデン」、「農園のような育てるガーデン」、「五感で楽しめる学びのガーデン」、「森を感じられる癒しの空間のガーデン」といった4つのイメージをもって、営んでいきたいと考えています。
植物に囲まれたハーブ園は、可能性を秘めた場だと思うんですよ。ここを訪れた方にとって、それぞれの楽しみ方ができる場になってくれたら嬉しいですね。

――佐倉の魅力は何だと思いますか。

私自身、福島県相馬市出身で、初めて佐倉市に来たときは、植生の違いに驚きました。東北は落葉樹が多いですが、千葉県はマキを垣根に使っていたりと、風景や色彩の違いがとても新鮮でした。
佐倉市は、都心から1時間にも関わらず自然に恵まれています。車で1時間で都内に行けますし、新しいトレンドにもすぐアクセスできるところが良いですね。

【佐倉ハーブ園】
住所:千葉県佐倉市木野子158番地
株式会社常磐植物化学研究所によって1996年に開園したハーブ園。約5,000㎡の広い敷地に、薬用植物や生活に役立つハーブなどを栽培。
地域住民に開かれた憩いの場をめざし、地元小学校や公民館などでハーブの普及活動を行っている。季節に応じた様々なイベントも開催。
◆アクセス
車:佐倉ICから10分
公共交通機関:京成佐倉駅またはJR佐倉駅から、ちばグリーンバス「木の子神社」下車徒歩1分。
◆営業情報
開園時間:10:00~16:00
定休日:土・日・祝日(※イベント時開園)
駐車場:10台
入園料:無料
◆イベントの詳細など詳しくは、佐倉ハーブ園ホームページをチェック!